知らないとやばい!日本の学校教育の目的・目標をわかりやすく解説(その3)

日本の教育の目的・目標3

皆さんは、日本の教育の目的・目標を知っているでしょうか?今、子どもが受けている教育はどこを目指して行われているのかについて理解することはとても重要なことです。
この教育の目的・目標は、これからの日本が向かう方向を大きく示しています。なぜなら、その教育の目的・目標に沿った教育が日本で行われ、その教育を受けた子どもがこれからの日本を作っていくのです。つまり、教育の目的・目標を理解することで、日本が向かう方向が予測できるようになるのです。

これからの日本を作っていく人を作る教育がどのような目的・目標を理解することは、全員にとって、とてもメリットのあることであると思います。
では、今回は日本の教育の目的・目標について説明していきたいと思います!

(注)この記事は3記事構成の3記事目です。
1つ目の記事はコチラからご覧ください!

知らないとやばい!日本の学校教育の目的・目標をわかりやすく解説(その1)


2つ目の記事はコチラからご覧ください!

知らないとやばい!日本の学校教育の目的・目標をわかりやすく解説(その2)

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学校教育法

小学校の目的

学校教育法第29条※クリックすると条文が見られます

小学校は、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育のうち基礎的なものを施すことを目的とする。

小学校の目的は、学校教育法第29条で定められています。条文にもあるように「心身の発達に応じて」教育を行うこととされており、同じ学年でも発達度合いが子どもによって異なるため、その場合の支援を個別に行う必要があることを示唆しています。

疑問点

  • 普通教育のうち基礎的なものとはどのようなものなのでしょうか

小学校の目標

小学校の目標
学校教育法第30条※クリックすると条文が見られます

小学校における教育は、前条(第29条:小学校の目的)に規定する目的を実現するために必要な程度において第二十一条各号(義務教育の目標)に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
② 前項の場合においては、生涯にわたり学習する基盤が培われるよう、基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養うことに、特に意を用いなければならない。

※()内は加筆しています。

まず、小学校では学校教育法に示されている「義務教育の目標」を達成するように教育を行うとしています。ですが、小学校は6年であるので際限なく完全に「義務教育の目標」を達成できるわけではありません。そのため、あくまで小学校の目的は「心身の発達に応じて、基礎的なものを行う」ことであるので、この目的を達成する程度で教育を行うとしています。

また、小学校の教育は「生涯にわたり学習する基盤」が育成されるように行うものとしています。
そして「基礎的な知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「主体的に学習に取り組む態度」を特に育成することで、「生涯にわたり学習する基盤」を育成しようとしている。

疑問点

  • 小学校の目的を実現するために必要な程度の義務教育の目標の達成とはどのくらいなのでしょうか
  • 基礎的な知識・技能とは具体的に何なのでしょうか
  • 思考力・判断力・表現力などは具体的にどのような能力なのでしょうか
  • 主体的に学習に取り組む態度はどのようにすると育成できるのでしょうか

小学校の教育内容

これまで、小学校の目的・目標について整理してきました。最初の教育の目的・目標義務教育の目的・目標を具体的にしたものであることがわかってもらえたかと思います。
ここから、小学校の目的・目標を具体化させて、実際に学校で行われているものに近いものになっていくことを明らかにしていきます。

学校教育法第33条※クリックすると条文が見られます

小学校の教育課程に関する事項は、第二十九条及び第三十条の規定に従い、文部科学大臣が定める。

学校教育法第33条において、教育内容を決めるものである教育課程を文部科学大臣が「小学校の目的・目標」に従って決めるとしています。
また、中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校についてもそれぞれの目的・目標に従って同様に文部科学大臣が決めるとしている。

この教育課程については、学校教育法ではなく、「学校教育法施行規則」において規定されています。

学校教育法施行規則

学校教育法施行規則は、学校教育法に規定されていることを実際の学校で行えるように、より詳細に規定したものです。
例えば、校長になる人の条件や学校の学級数、教育課程、授業日についてなど様々なものがあります。

小学校の教育課程

学校教育法施行規則第50条※クリックすると条文が見られます

小学校の教育課程は、国語、社会、算数、理科、生活、音楽、図画工作、家庭、体育及び外国語の各教科(以下この節において「各教科」という。)、特別の教科である道徳、外国語活動、総合的な学習の時間並びに特別活動によつて編成するものとする。
2 私立の小学校の教育課程を編成する場合は、前項の規定にかかわらず、宗教を加えることができる。この場合においては、宗教をもつて前項の特別の教科である道徳に代えることができる。

学校教育法施行規則第52条※クリックすると条文が見られます

小学校の教育課程については、この節に定めるもののほか、教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する小学校学習指導要領によるものとする。

学校教育法施行規則第50条において、初めて教科の名前が出てきました。この条文書いている教科を小学校は行わなければなりません。
しかし、教科の名前だけでは実際に何を教えたらいいのかわかりません。

そこで学校教育法施行規則第52条の規定があります。この条文にある「学習指導要領」がキーワードです。
50条に定められている教科は、この「学習指導要領」に教える内容とどのように教えるかについて具体的に書いています。
教員は学習指導要領に沿って、学校での教育を行わなければなりません。つまり、学校で行われる教育活動のすべては学習指導要領に関係していなければならないことになります。

小学校学習指導要領

小学校学習指導要領は、「総則」と学校教育法施行規則第50条にある「各教科」それぞれ作成されています。また、中学校・高等学校ではそれぞれの学習指導要領が作成されています。
この学習指導要領があるおかげで、全国である程度教育の質が担保され、平等な教育を行うことができています。

小学校学習指導要領は、全部で300ページ超あるため、今回は「総則」のみを扱おうと思います。各教科についてはまた別の機会に書こうと思います。

学習指導要領が見ている学校のあり方

学校のあり方
小学校学習指導要領 前文(一部抜粋)※クリックすると条文が見られます

これからの学校には,こうした教育の目的及び目標の達成を目指しつつ,一人一人の児童が,自分のよさや可能性を認識するとともに,あらゆる他者を価値のある存在として尊重し,多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え,豊かな人生を切り拓ひらき,持続可能な社会の創り手となることができるようにすることが求められる。このために必要な教育の在り方を具体化するのが,各学校において教育の内容等を組織的かつ計画的に組み立てた教育課程である。

学習指導要領前文によると、学校は以下の要素を備えている人間を作ることが求められています。

  • 自分のよさがわかっている
  • 自分以外の人を尊重している
  • 様々な人と協働できる

また、これらの要素を備えた人間を作ることによってその人間に以下のようなことをできるようにするということも同時に求めています。

  • 様々な社会的変化を乗り越える
  • 豊かな人生を切り開く
  • 持続可能な社会を創る

そして、これらのことを実現するために学校は、教育の内容などを「組織的」「計画的」に教育課程を作成することが求められています。

社会に開かれた教育課程

小学校学習指導要領 前文(一部抜粋)※クリックすると条文が見られます

 教育課程を通して,これからの時代に求められる教育を実現していくためには,よりよい学校教育を通してよりよい社会を創るという理念を学校と社会とが共有し,それぞれの学校において,必要な学習内容をどのように学び,どのような資質・能力を身に付けられるようにするのかを教育課程において明確にしながら,社会との連携及び協働によりその実現を図っていくという,社会に開かれた教育課程の実現が重要となる。

<中略>

各学校がその特色を生かして創意工夫を重ね,長年にわたり積み重ねられてきた教育実践や学術研究の蓄積を生かしながら,児童や地域の現状や課題を捉え,家庭や地域社会と協力して,学習指導要領を踏まえた教育活動の更なる充実を図っていくことも重要である。

また、学習指導要領は学校が作成する教育課程を「社会」と共有することで、学校と社会が協力して、教育の目的・目標を達成することを期待しています。
社会に教育課程を共有することで、学校のみではできない活動や、社会でしかできない活動を教育の専門機関である学校と同じ目的・目標を持ち同じ方向を向いて教育を行うことによって、さらに質の高い教育を実現することができます。
それが「社会に開かれた教育課程」です。つまり、私たち一人ひとりが教育の目的・目標などを把握することによって、より質の高い教育を実現することにつながるのです。

この各学校の教育課程は、一般的に各学校のホームページで公開されていますので、一度見てみてください。

学習指導要領の役割

小学校学習指導要領 前文(一部抜粋)※クリックすると条文が見られます

学習指導要領とは,こうした理念の実現に向けて必要となる教育課程の基準を大綱的に定めるものである。学習指導要領が果たす役割の一つは,公の性質を有する学校における教育水準を全国的に確保することである。

先程も述べた通り、小学校においてはこの「小学校学習指導要領」に沿って教育を行わなければなりません。学習指導要領があるおかげで学校や教員がどのように教育を行なっていけばいいのかがわかるのです。しかもこの学習指導要領は全国共通なので、全国で一緒の教育内容を提供することができるのです。

また、重要であることは、あくまで学習指導要領は「最低限の基準」であるとされていることです。つまり、学習指導要領の内容を省略・削減することは許されなく、「最低限の基準」とすることで、学校にそれ以上の教育を行うことを暗に示しています。
そこで、学校や教員、社会の手腕が問われるのです。学習指導要領 前文にあるように各学校が特色を生かすことが重要なのです。

学習指導要領が学校に求めていること

生きる力
小学校学習指導要領 総則(一部抜粋)※クリックすると条文が見られます

学校の教育活動を進めるに当たっては,各学校において,第3の1に示す主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して,創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で,次の⑴から⑶までに掲げる事項の実現を図り,児童に生きる力を育むことを目指すものとする。

学校が目指すことは生きる力」を育むこと
生きる力」とは、情報化・グローバル化などの社会の変化によって未来の予測が難しい時代になってきています。そのような社会の変化に受け身に対応するのではなく、主体的に対応し、様々な人と協力しながら、より良い社会や幸福な人生を自分で切り拓くことができるようにする力のことを言います。

この「生きる力」を育成するために、下記に上げる「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」を実現する必要があります。また、これらの育成は、「主体的・対話的で深い学び」や学校ごとの特色ある教育活動を通じて行われるとしています。

確かな学力

確かな学力
小学校学習指導要領 総則(一部抜粋)※クリックすると条文が見られます

基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力等を育むとともに,主体的に学習に取り組む態度を養い,個性を生かし多様な人々との協働を促す教育の充実に努めること。その際,児童の発達の段階を考慮して,児童の言語活動など,学習の基盤をつくる活動を充実するとともに,家庭との連携を図りながら,児童の学習習慣が確立するよう配慮すること。

上記の文章において、学校で育成するものを大きく以下のように規定しています。

  • 基礎的・基本的な知識・技能
  • (知識・技能を)活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力
  • 主体的に学習に取り組む態度

これは、学校教育法第30条第2項において規定されていることを受けて、上記のものを育成するとしています。

学校教育法第30条第2項※クリックすると条文が見られます


前項の場合においては、生涯にわたり学習する基盤が培われるよう、基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養うことに、特に意を用いなければならない。

そして、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「態度」を育成するために、「主体的・対話的で深い学び」を通して授業を行う必要があります。

注意点

  • 児童の発達段階を考慮する
  • 学習の基盤を作る活動(言語活動など)を充実させる
  • (家庭と連携して)学習習慣の確立

「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「態度」を育成する上で、上記の注意点を挙げています。
育成したい3つのものを育成することを先走って、子どもにあっていない教育を行なっても意味がないので、子どもの発達段階を判断して、その段階にあった教育をする方が結果的にそれらの育成に繋がります。

また、学習はほとんどの場合言語(日本においては、日本語)を用いて行われます。つまり、言葉を使えないと学習ができない(もちろん他にも必要なものがあります)ので、言語活動などの活動を充実する必要があります。

また、学習習慣をつけるために、家庭と連携することを示しています。この学習習慣は、生涯に通じて重要なこと(他のものもそうなんですが)であると私は考えています。大人になってから学習習慣を身につけるのと、子どもの頃から学習が楽しいと思い、その習慣を身につけることは、おそらくおそらく子どもの頃のほうが簡単であると思います。

豊かな心

豊かな心
小学校学習指導要領 総則(一部抜粋)※クリックすると条文が見られます

道徳教育や体験活動,多様な表現や鑑賞の活動等を通して,豊かな心や創造性の涵養を目指した教育の充実に努めること。学校における道徳教育は,特別の教科である道徳(以下「道徳科」という。)を要として学校の教育活動全体を通じて行うものであり,道徳科はもとより,各教科,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活動のそれぞれの特質に応じて,児童の発達の段階を考慮して,適切な指導を行うこと。

(中略)

道徳教育を進めるに当たっては,人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を家庭,学校,その他社会における具体的な生活の中に生かし,豊かな心をもち,伝統と文化を尊重し,それらを育んできた我が国と郷土を愛し,個性豊かな文化の創造を図るとともに,平和で民主的な国家及び社会の形成者として,公共の精神を尊び,社会及び国家の発展に努め,他国を尊重し,国際社会の平和と発展や環境の保全に貢献し未来を拓く主体性のある日本人の育成に資することとなるよう特に留意すること。
※涵養:自然に水がしみこむように徐々に養い育てること。

この文章で育成したいものを2つ示しています。

  • 豊かな心
  • 創造性

これらを育成するために

  • 道徳教育
  • 体験活動
  • 多様な表現・鑑賞の活動

などを行うことを示しています。

また、道徳教育は、「特別の教科 道徳」を中心として、学校の活動すべてで行うとしています。学校の活動とは、授業もそうですし、友達との関わり(遊び・けんかなど)などがあります。今回の学習指導要領から「道徳」が評価を対象とする教科として、初めて規定されました(道徳を評価するのは、「いい」考えが固定されるのではないのかと個人的に思ったりしますが)。

また、上記と同様に、これらの活動でも、「子どもの発達段階」に合わせることが重要です。

この学習指導要領の文章は、教育基本法の教育の目標の「態度」を具体化したものでありそうですね。

健やかな体

健やかな体
小学校学習指導要領 総則(一部抜粋)※クリックすると条文が見られます

学校における体育・健康に関する指導を,児童の発達の段階を考慮して,学校の教育活動全体を通じて適切に行うことにより,健康で安全な生活と豊かなスポーツライフの実現を目指した教育の充実に努めること。特に,学校における食育の推進並びに体力の向上に関する指導,安全に関する指導及び心身の健康の保持増進に関する指導については,体育科,家庭科及び特別活動の時間はもとより,各教科,道徳科,外国語活動及び総合的な学習の時間などにおいてもそれぞれの特質に応じて適切に行うよう努めること。また,それらの指導を通して,家庭や地域社会との連携を図りながら,日常生活において適切な体育・健康に関する活動の実践を促し,生涯を通じて健康・安全で活力ある生活を送るための基礎が培われるよう配慮すること。

この文章において育成するものは

  • 生涯を通じて健康・安全で活力ある生活を送るための基礎

とされています。
そのために学校が特に注力することは

  • 食育
  • 体力の向上に関する指導
  • 安全に関する指導
  • 心身の健康の保持増進に関する指導

としています。
これらの指導を、「体育科」「家庭科」などを中心に、学校の教育活動の全体を通じて行い、家庭や地域社会との連携を図ることを推進しています。

これは、教育基本法の教育の目的の「心身ともに健康な国民の育成」や教育の目標の「健やかな身体」に関係していそうです。

小学校の目的・目標のまとめ

これまで、学校教育法にある「小学校の目的」から「小学校学習指導要領」のつながりを説明してきました。小学校の目的である義務教育のうちの基礎的な部分の具体的な内容は、「小学校学習指導要領」に記載されています。
この「小学校の目的」を達成するために、「基礎的な知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「主体的に学習に取り組む態度」を育成することで、「生涯にわたり学習する基盤」を育成するという「小学校の目標」を設定しています。
この「小学校の目標」を達成するために、文部科学省が作成する「学習指導要領」をもとに、学校は具体的な教育活動を組織的・計画的に配置する教育課程を作成することになっています。

今回は、小学校学習指導要領の総則のみしか扱っていませんが、学校教育法施行規則第50条に規定されている各教科ごと作成されています。この学習指導要領によって、教育基本法にある「教育の目的・目標」などといった抽象的で実際に何をしたらいいのかわからないようなものを具体的な教育内容とその方法を示しています。つまり、学習指導要領に書かれている教育を行うことによって、自ずと教育の目的に繋がっているのです。

この小学校の目的・目標においてよく出てきたことの中で、教育で重要な2つの要素が度々出てきていました。
それは

  • 子どもの発達段階に応じた教育
  • 家庭・地域社会との連携

です。
子どもの発達段階に応じた教育
この「子どもの発達段階に応じた教育」は、学習指導要領に書かれている教育内容が実際に目の前の子どもが理解できるような状態ではない場合があります。1歳の子どもに100mを9秒で走れといっても無理な話で、教育というのは目の前の学習者の状況に応じて、内容を噛み砕いたり、教育方法を変更したりする必要があります。
この考え方は、教育全てに通じるもので、広く言えば「学習者に応じた教育」ということができます。教育の対象が幼稚園児であっても、大学生や社会人であっても教育の対象に応じて教育を合わせていくということが重要です。この教育の対象の状態を判断し、教育を対象に合わせるということは教育者の最も重要な仕事なのです。

家庭・地域社会との連携
学校教育を行う上で、家庭と地域の協力はとても重要です。家庭と地域社会が教育の目的・目標などを理解し、学校と協力することで、学校だけでは実現できない教育効果を生み出すことができるのです。
家庭・地域が教育の目的・目標を学校と共通の目的・目標として持つことで、高校野球で甲子園優勝を目指す高校の野球部のように目標に向かって一丸となる強力なチームをつくることができるのです。一丸となって教育を行うことで、より質の高い教育を子どもに提供することができるようになるのです。
このことからも、我々大人の一人ひとりが、教育の目的・目標などを理解しておく必要があることは明白でしょう。

日本の教育の目的・目標のまとめ

今回は、教育基本法の「教育の目的」がどのようにして学校現場に反映されているのかの仕組みについて説明してきました。
「教育基本法→学校教育法→学校教育法施行規則→学習指導要領」という順に具体的になり、学習指導要領を基に現場の教員が子どもに合わせて教育を行うことで、教育基本法の「教育の目的」を達成しようとするつながりがわかったと思います。

また、我々大人が教育の目的・目標などを理解しておくことで、学校で行われていることがどのようにして教育の目的につながっているのかを考えることができるようになります。そのようなことを考えることで、学校の教育を批判的に見ることができ、学校の教育活動をより良いものにすることができるようになるのです。

しかし、この教育の目的などはあくまで日本が行う教育であることに留意する必要があります。どういうことかというと、あくまで日本が国として欲している人材を育成することが公教育の一つの側面でもあります。子どもが将来充実した人生を過ごせるようにすることももちろん目的の1つですが、将来日本を支える人材を育成するのも目的の1つです。そのため、子どもにとって最も良いものではなく、日本にとって都合の良い教育が行われる可能性が含まれているのです。

そのため、この教育の目的などを絶対に正しいと思わず、常に批判的に見る必要があるのです。本当に子どもにとっていいものになっているのか、大人の都合になっていないかと目を光らしておく必要があるのです。

これを読み終わった皆さんの教育に関する知見は少し上がったことでしょう。長文にお付き合いいただきありがとうございました!

参考文献

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